しょうじきしんどい

海老で鯛を釣ろうと思う。いや、海老はもったいないからミミズでいいや。

月旅行は愛の形なのだ

 

 

アイツが僕らにもたらしたもの

 

 

人類は’アイツ’を見て、何を思ってきたのだろう。

 

これまでアイツをテーマに歌を歌ったり、絵を描いた人たちがどのくらいいるのだろう。

 

アイツに心を突き動かされ創作物を作ってきた人の数は星の数ほど多く、数えるのも億劫になるほどだ。

 

夜になると、アイツは必ず空に現れる。

 

太陽からの光を反射して、爛々と光るアイツは、白い顔のニキビ面をしていて、顔の上ではウサギが餅をついているらしい。

 

正体がわからないアイツを見て、想像の世界でそれが愛のテーマと称したり、ヴィーナスと名付けて、僕らは毎晩毎晩思いを馳せてきた。

 

人類はアイツの正体を探るべく、「宇宙飛行船」を開発して、何度もチャレンジを重ねてきた。

  

前澤氏×スペースX

 

 

今日、人類に新たな歴史が刻まれた。

   

ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイ社の前澤友作氏が、民間人では初となる「月旅行」の計画を打ち立てた。

 

この計画は、米企業のスペースX社と組んで実行される見込みで、スタートトゥデイとは関係なく、前澤氏の’個人の活動’だ。

 

スペースX社は、ロケット・宇宙船の開発・打ち上げといった宇宙輸送を業務とするベンチャー企業だ。

 

同社は、2002年に決済サービスベンチャー企業PayPalの創設者であるイーロン・マスク氏により設立された。

 

イーロン・マスク氏は、前澤氏は、同社が開発している「ビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)」に乗って飛行すると発表した。

 

  

アポロ11号に乗っていた思惑

 

 

「ヒューストン、こちら<静かの海>基地。イーグルは舞い降りた」

(Houston, Tranquility Base here. The Eagle has landed.)

 

「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」

(That's one small step for man, one giant leap for mankind.)

 

アメリカの「アポロ11号」が月面着陸に成功し、オルドリン飛行士が月面に立ったのは、1969年7月20日20時17分。

 

上記は、月面の「静かの海」と呼ばれる場所からアームストロング船長が宇宙服のマイクに向けて発した言葉だ。

 

当時、宇宙開発には冷戦関係にあったアメリカとソ連(ソ連ほか15カ国の連邦組織)が積極的に取り組んでいた。

 

ロケット開発に取り組んでいた理由は、軍事的な目的に通じていて、ロケット開発は核ミサイル技術そのものであった。

 

地上のコンピューターで計算した通りに、巨大なミサイルを落とすことができれば、軍事的・政治的に優位な立場に立つことができ、宇宙開発競争は単なる国威発揚ではなかった。

 

結果的に、最初に月面にたどり着いたのはアメリカだった。

 

「私たちは全人類の平和のうちにやって来た」

(WE CAME IN PEACE FOR ALL MANKIND)

 

月面にはこの言葉が刻まれたプレートがあり、アームストロング船長、コリンズ飛行士、オルドリン飛行士のサイン、そして一番下にはニクソン大統領のサインも記されている。

 

確かにアポロ11号の月面着陸は、人類の夢や希望、そして愛が乗っていたのかもしれないが、同時に背景に軍拡競争があったことも忘れてはならない。

  

 

 月から愛を

 

 

個人的には、宇宙船や月に何が乗っていてもどうでもいい。

 

僕は月に行ってみたい。

 

かつて文豪の夏目漱石は、「I LOVE YOU」を「月が綺麗ですね」と訳したという。

 

つまり、「月が綺麗ですね」は、「あなたが好きです」という意味なのだ。

 

ストレートな言葉は口にしないけれど、ちょっぴり遠回しでロマンチックに愛を伝える。

 

それで十分気持ちは伝わるのだと、漱石は言ったそうだ。

 

今でも日本人男性にはシャイな人が多いが、当時はそれがもっと顕著な時代だった中で、この言い回しは相当刺激的なものであっただろう。

 

月には愛や夢、軍事的な目的まで様々な「人の思い」がある。

 

でも、月の地上に空気はないが、その分まだまだピュアな思いの方が多いと思う。

(混沌とした地球と比べたら)

 

「ピュア成分」の多い地に降り立った時、人は何を感じることができるのかは想像できないが、きっとすばらしいものがあるのだ、と思いを馳せる。

 

前澤氏と8人のアーティストが月にたどり着いた時、どんなクリエイティブなものができるのか楽しみである。

 

何年かかるかはわからないが、もしかしたら僕ら一般人も月面旅行に行くことができる時代が来るかもしれない。

 

僕もいつか月にたどり着いたら、愛する誰かに思いを伝えてみようと思う。

 

「Love E-mail from Venus」なんてステキじゃないか。

 

なんだか愛の理想みたいで。