しょうじきしんどい

海老で鯛を釣ろうと思う。いや、海老はもったいないからミミズでいいや。

バブルの経験と婚活市場


どうやら僕ら日本人は長期的に物事を考えることが得意でないらしい。
 
 
 
欧米人と違ってリスク管理という発想が乏しく、バブル経済の頃は我を忘れて国民全員が踊り狂い好景気に酔いしれた。
 
 
 
やがてバブルが弾けてから日本国民がどのような結末を辿ったのかは周知の通りだ。
 
 
 
一度バブルが弾けてしまうと通常それを回復するのにとてつもない膨大な時間がかかる。
 
 
 
さらに言うと回復しない例もあるし、回復するにしても期待する期間の数倍の覚悟が必要だ。
 
 
 
はてな民はおそらくバブルと言われてパッと頭に浮かぶ実例はやはり「仮装通貨」だろう。
 
 
 
仮想通貨の1つであるビットコインは2017年12月に230万円もの価値があった。
 
 
 
しかし、バブルが弾けて3ヶ月で60万円代まで価値を下げバブルの典型ともいえるだろう。
 
 
 
バブルが弾けた理由は、コインチェックが保管していた仮装通貨ネムXEM)がハッカーの手によって流出し、約580億円が盗まれた事件が大きく作用している。
 
 
 
この事件により仮装通貨に対する信用が一気に急落し、仮装通貨が持つ価値も同時に下落した。
 
 
 
同時期に仮装通貨法ができたことにより仮装通貨そのものの動きが鈍化したことも大きな要因の1つだ。
 
 
 
高度経済成長期のバブル崩壊を経験した人ならバブルというものがある事は誰もが知っていたし、それを経験していない人でも歴史をしっかり勉強すればその原因と結果について知ることができた。
 
 
 
しかし実際に同じ過ちが繰り返された。
 
 
 
他にもウォール街大暴落(1929)、平成バブル(1986~1991)、米ITバブル(1999~2001)など世界を見渡すと様々なバブルがあった。
 
 
 
なぜバブルが弾けたのか。理由は様々な見解があると思うが、いずれにせよそれらのバックヤードをきちんと理解することで将来への投機リスクは低減することができる。
 
 
 
仮装通貨バブルに限った話ではないが、歴史上のバブルの共通点は「借金」、「借入れ」、「信用」、「レバレッジ」である。
 
 
 
僕には専門的な知識はないので詳しいことははわからないが、自分の身の丈以上のことをして簡単にお金を儲けようとするとそれ相応のリスクが伴うことは理解しておく必要がある。
 
 
 
つまり裏づけのない過剰な自信が判断を鈍らせ失敗を招くのだ。
 
 
 
長期的な視座を持ち、着実に負けない戦い方をするには世の中のルールを理解する必要がある。
 
 
 
どんなに身体能力の高い人間でも、その競技のルールを理解しなければ一流のプレーヤーにはなれないのだ。(※)
 
 
 
(※)スポーツにおいては逆に過剰な自信が良いプレーを生むこともあるので一概には言えないが。
 
 
 
 
 
長期的な視座を持つ重要性はお金に限った話ではない。
 
 
 
恋愛でも長期的な視点はとても重要だと思う。
 
 
 
僕のTLでは婚活プレーヤーはパートナー候補の職業や容姿などのスペックを値ぶみしてどうのこうのと日々熱い議論を交わしている。
 
 
 
個人的には恋愛市場もじわじわとバブル熱が高まってきていると感じていて、なんだかネット上の加熱具合は不自然な感じがするのだ。
 
 
 
勿論、幸せな結婚生活を送るためには慎重なパートナー選びが必要だ。
 
 
 
人生100年時代と叫ばれる中で多くの人の結婚生活は人生の半分以上を占めることになるので、適正な判断を下すためには情報収集が欠かせない。
 
 
 
結婚も立派な投資であって、婚活においては目に見える金や時間のみならず、将来の夢や希望といった目に見えないものも知らずのうちに投資している。
 
 
 
仮にパートナーとデフォルト(離婚)してしまうと、回復するのにとてつもない膨大な時間がかかること。そして、回復しない例もあるという性質も投資に似ている。
 
 
 
厚生労働省が発表している人口動態総覧(平成29年)によると、この一年で婚姻したのは約61万人、離婚したのは約21万人。
 
 
 
離婚率を求める際には、その年の婚姻率(人口1000人当たりの結婚数)に対する離婚率(人口1000人当たりの離婚数)の割合を出す。
 
 
 
上記のデータによると、婚姻率は5.2で、離婚率は1.77。
 
 
 
僕の計算が間違っていなければ、およそ「3組に1組は離婚している」という結果になる。
 
(だいたいこのくらいなんだー程度の認識でお願いします。保障できません)
 
 
 
離婚の理由にはさまざまなものがあるかと思うが、ダイヤモンドオンラインの調査によると、離婚にいたった女性側の理由は以下の通りだ。
 
 
 
・「価値観の違い」(53.2%)
 
・「金銭感覚の違い」(46.2%)
 
・「性格の不一致」(43.8%)
 
・「夫婦の会話がない」(32.0%)
 
 
 
このデータは複数回答可なので正確な値は判断できないが、「金銭感覚の違い」も「性格の不一致」も「夫婦の会話がない」のも大方「価値観の違い」に包括される内容だと思う。
 
 
 
人の価値観なんてものは他人の力でどうこうできるものではない。
 
 
 
数十年かけて醸成されたパーソナリティは簡単に変えることはできないという認識をもっと強く持つべきだ。
 
 
 
ちなみに僕は基本的に100%価値観が一致する人なんていないと思っていて、僕の価値観と一部分だけ合致した人とはその価値観を基準にして人付き合いをする。
 
 
 
結婚したから明日から理想的なパートナーになろう!と意気込んで性格を変えられるほど、パーソナリティは甘くない。
 
 
 
また、結婚生活は我慢の連続だと言う人もいるが、我慢には限界がある。
 
 
 
その我慢代として、例えば高級な洋服を買ったり、口げんかに発展したり、我慢するくらいなら冷戦状態のほうがマシといった結論になるのだろう。
 
 
 
近年の男女の出会い方を見ると、これらの不一致リスクはどんどん高まっていくと思っていて、表面上のスペックに踊らされ一喜一憂しているようでは日本の少子化問題の解決にはまだまだ時間を要しそうだ。
 
 
 
男女ともに背伸びすることなく、自分の身の丈に合ったパートナーと一緒になること。
 
 
 
そのために自分の価値観を見つめ直し人生においてなにが重要なのか自己理解を深めること。
 
 
 
これが“幸せな”結婚の近道なのではないだろうか。