しょうじきしんどい

海老で鯛を釣ろうと思う。いや、海老はもったいないからミミズでいいや。

えらいてんちょう氏の『しょぼい起業で生きていく』を読んだ。

▽記事はこちらで無料で読めます。

(期間限定公開なのでお早めにどうぞ)

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本書はものすごく小さな起業を薦める本である。

 

一体どんな人が読むべき本かというと、「起業に対して天上人が行う神聖な行為だと思っている人」や「資本主義について多少の知識はあるもののいまだに搾取される側から抜け出せない人」だと思う。

 

僕はまだ両者に属していて社畜の傍らでスモールビジネス的なものはいくつか実践しているものの、いまだに搾取され続けている立場である。

 

僕のビジネスは毎月一定の収入が得られるわけではない。

 

また、ポイントサイトに依存しないと成り立たず、サイト運営側に強い風が吹けばすぐに飛んでいってしまう掘っ立て小屋のようなビジネスモデルである。

 

あと僕の本業の会社は原則副業禁止なので税金に関しても正直グレーゾーンである。

 

ポイントサイトからの収益に関して、僕の友人の国家公務員や事業主をしている人に話を聞いたのだが、大元のポイントサイト自体がコケたりすると非常に厄介なことになることがわかった。

 

勿論ポイントサイトから得られる収益は現金化した場合、確定申告をしなければならない。

 

サイト内ポイントを現金化する場合通常であればLINEポイント楽天ポイント、マイル等に変換するのが一般的だが、サイト内ポイントを第三者に譲渡し、その分の金額を現金で直接もらえば・・・なんてことも考えたが、これを書いている途中でやっぱり危ないと判断したのでやめた。

 

※このあたりの法令遵守について詳しい方助言ください。

 

話が逸れてしまったが、本書のポイントは「生活の資本化」「資産の資本化」だろう。

 

「生活の資本化」とは、収入の部分をいつもやっている作業をお金に換える作業のこと。

 

いつもやっている作業=料理だとしたら、晩御飯を余分に作ればいいのだ。

 

5人前の料理を作ったからといって、食材費が5倍かかるわけではないしお金という対価をもらうのであれば単価を高く設定すればその分利益幅は大きくなる。

 

結果的に自身の食費を賄うだけでなく余剰に利益を生み出す可能性もあるのだ。

 

「資産の資本化」とは、すでに持っているものを使ってお金を稼ぐ作業のことだ。

 

日中仕事に出ている間に使っていない自家用車があればレンタルすればいいし、自身の友達に対して僕がいつもより多く晩御飯を作ってそれを販売すれば生活の資本化と資産の資本化がダブルで行われることになる。

 

「しょぼい起業」のミソは売上を全て現金化してどこかに振り込んだりする必要がない点だ。

 

ここでいう「資本」は必ずに日本円である必要はない。

 

お金を払ってやってもらう技術をタダでやってもらったらそのぶん儲かった、と考えるわけだ。

 

僕のようなサラリーマンが「自分の時間を直接金銭化」しているのに対して、「しょぼい起業」においては、

 

「生活や資産を提供する→提供した以上の技術や労働力が返ってくる→結果として資本化(コストがかからなかった=利益が生まれた)」という考え方をする。

 

ここが非常にユニークなのだ。

 

また対価はお金だけではなく信用という形でも良いわけで、キンコン西野の『新世界』内で「貯信時代!個の力!」と連呼しているように、現代では信用も価値になり得る。

 

「この間ご飯つくってくれたから今日のフットサル代は無料でいいよ!」と言ってくれる人がいるかもしれない。

 

とにかくヒトやモノという資産はとにかく回転させること。

 

また、人を動かす原動力はお金だけではないということ。

 

えらいてんちょう氏の資本化マインドはお金持ちのマインドに似ていて、お金持ちが必ずといっていいほど実践しているのは自身から出て行くお金を少なくすること=消費を減らすことなのだ。

 

お金持ちの人は消費をするのではなく投資にお金を使っているし、専門の会計士を雇うことでその会計士のお給料以上の節税をしている。

 

資本主義の性質上、頭のわるい人は頭の良い人の養分になってしまい、自身の商品を持たざるものは必然的に搾取される側に回ってしまう。

 

搾取される側から脱却する第一歩として「しょぼい起業」が必要なのだ。

 

しかし、その「しょぼい起業」が軌道に乗るかどうかは誰にもわからない。

 

仮に上手く事業が回りだしたとしても外部環境の変化によってそのビジネスが傾いてしまう可能性もある。

 

確かに「しょぼい起業」は自身の支出の部分とラップしているので不況に強く、つぶれにくい特性を持つがそれ1本で食っていくのは現実的には難しいだろう。

 

そのためリスクヘッジとして他の事業をいくつか立ち上げておき、どこが傾いてもいいように万全の体制を取っておかなければならない。

 

投資の世界で「卵は1つのかごに盛るな」という言葉があるように、自身の資本力や労力は分散させ万が一に備えるのが基本ということだ。

 

イメージ的には毎月1万円分の価値を創出するビジネスを5つくらい持っておけば、僕らサラリーマン的には多少ホクホクするのではないだろうか。

 

5万円くらいの余裕があれば、自己投資で英語やプログラミングの教室に通うこともできるだろうし、投資にぶっこんでお金がお金を生む種銭にもなる。

 

しょぼい起業には僕らの可能性を広げる大きな可能性が秘められているのだ。

 

P.S

本書が良い本だと思ったら迷わず買いましょう。

 

自らお金を出して本を買ったほうが絶対に身につくと思います。