しょうじきしんどい

海老で鯛を釣ろうと思う。いや、海老はもったいないからミミズでいいや。

白と青とマックとクリエイティブ

はじめに

 

 

先日、僕の友人の女の子から連絡があり、会社を辞めてフリーランスになるという宣言があった。

 

今まで彼女は息を吐くように「仕事辞めたい」と言っていたので、もはやそのワードは僕の中では「おはよう」と同じくらいの意味に成り下がっていたのだが、どうやら今回ばかりは本気のようだ。

 

彼女は2年半もの間ブライダルプランナーとして勤務した。

 

どうやら退職後はWebデザインの活動をしていくらしい。

 

Webデザインの知識は、総額80万円をかけて半年間スクールに通い、技術の基礎は身につけたようだ。

 

まだポートフォリオも何も無いし、実際に企業に所属していたわけでもないので、市場価値はだいぶ低い方だと思う。

 

しかし、通っていたスクールがどうやら仕事を斡旋してくれるようで、しばらくはその案件をこなしていくという。

 

僕にはデザインやプログラミングの知識は無いし、Web周りの仕事の金回りについても詳しくはない。

 

でも、スキルが中途半端且つ、収益基盤が安定していない状態でフリーランスに転身してしまうのはあまりにリスクが大きいということはなんとなくわかっている。

 

素直に彼女のキャリアチェンジを喜べないなんてつくづく嫌な性格をしている。

 

でも、彼女のアクションを起こすスピードの速さは僕は持ち合わせていないので、そこに関しては尊敬する。

 

少なくとも小心者の僕は彼女のように思い切りよく転職なんてできないだろう。

 

彼女がどこまでリスクヘッジできているのかはわからないが、それでも一歩前に踏み出す勇気は単純に凄いと思う。

 

さて、彼女はフリーランスとして新しい世界への一歩を踏み出すことになったわけだが、そもそも僕たちは現在どのような働き方をしていて、将来的にどのような仕事が求められるのか知る必要があると思う。

 

自分はどの部類に所属して、最適な人生を歩むために自身の立ち振る舞いを想像しながら読み進めてほしい。

 

ブルーカラーとホワイトカラー

 

 

僕らの仕事は大きく分けて「ブルーカラー」と「ホワイトカラー」に分類される。

 

なぜブルーとホワイトが出てきたかというと、元々これらの単語は「労働するときにどんな服を着ているか」の違いから生まれた言葉であるからだ。

 

ブルーカラーの定義

  

⇒ざっくり言うと、現場で汗水垂らして働く系の仕事に従事している人のこと。

 

現業系・技能系の現場において青襟である作業服を着用して肉体労働している人たちの総称で、雇用者から提供される制服や作業服の襟色に青が多い事に由来する。

 

職種としては、土木・建築関係や、ビルメンテナンス、警備員、運輸・工員・メカニックエンジニアなど多岐にわたる。

 

狭義では特に「ものづくり」(製造業)の作業に直接携わる工員を指す場合もある。

 

ホワイトカラーの定義

  

⇒ざっくり言うと、スーツを着て企業に勤めるサラリーマンのこと。

 

ホワイトカラーとは、「白地のワイシャツにネクタイ、スーツを着て仕事をする人々」という語源から、頭脳労働を担う総合職として働く人々、または事務職として働く人々のことを指す言葉だ。

 

日本では、ホワイトカラーを前述のように定義付けすることが多いが、国によってさまざまな定義がある。

 

例えば、イギリスの場合は日本以上に学歴が重視される社会であり、最終学歴によって就く職業も大きく変わり、ここでホワイトカラー・ブルーカラーが区別されることも多い。

 

ブルーカラーとホワイトカラーの違い

 

 

ブルーカラーでは、おおむね「技能」や「経験」を基準としており、「肉体的・精神的な負担」「環境の優劣」など労働者に対する負担がほどんど考慮されないといった問題がある。

 

一方、ホワイトカラーは僕のような仕事で、普段白いシャツとスーツを着ていて、身体ではなく頭を使って労働するサラリーマンのことで、残業によるストレスや人間関係から疲弊する傾向が強い。

 

日本ではホワイトカラーの仕事に就くためには、基本的に大卒というブランドがないと入社は難しい。

 

その要件に満たない人はブルーカラーの仕事に就くといった社会構造が生まれている。

 

一見、ブルーカラーとホワイトカラーの間では、労働環境や報酬に大きな差があるように思えるのだが、実際はそうではない。

 

東京都産業労働局の調べによると、40代のホワイトカラーとブルーカラーの収入比較の結果、ホワイトカラー:46万円/月、ブルーカラー:45万円/月 となっている。

 

なぜブルーカラーがこんなに収入が高くなっているかというと、一定数のスペシャリストがいるからだ。

 

このスペシャリストたちのことはメタルカラーと称される。

 

孫正義氏から学ぶ「メタルカラー

 

 

メタルカラーとは、元々ノンフィクション作家の山根一眞氏によって提唱された言葉で、ブルーカラーとホワイトカラーのいずれにも該当しない高度な技術職のことを指す。

 

技能や経験を積んで、ブルーカラーからメタルカラーに昇格することができれば、市場では非常に高い価値を発揮することができるのだ。

 

しかし、メタルカラーの仕事はもはや人間だけのものではない。

 

メタルカラーのライバルは「AI(人工知能)を搭載したロボット」だ。

 

ここで孫正義氏が、2018年度のソフトバンクの入社式で、378名の新入社員に向けて送った言葉を紹介する。

 

今の仕事は、いわゆるブルーカラーとホワイトカラーの2つに大きく分けられます。30年後にはブルーカラーの仕事は「メタルカラー」に、つまりAI(人工知能)を搭載したロボットにほとんど置き換わると思います。また、ホワイトカラーの仕事もかなりの部分がAIに置き換えられていくでしょう。現在のロボットにOSが搭載され、そのOSの上で人工知能が自在に動くスマートロボットがでてきます。 

 

孫正義氏のスピーチによると、将来的にはブルーカラーメタルカラーの仕事をするのは、人間からロボットの役目になるとのことだ。

 

例えば、自動車工場で熟練工の代わりにロボットが自動車を組み立てているのを想像してもらえればイメージしやすいだろう。

 

人間が身体を動かして仕事をする時代の終焉が近づいているのは言うまでもない。

 

さらに、ホワイトカラーの仕事までも、人間からAIによって代替されるだろうとの事だ。

 

人間がキーボードや電卓を叩いたり、営業が暑い中外回りをしたりする仕事もAIによって無くなってしまう可能性があるのだ。

 

つまり、AIやロボットの前ではホワイトカラーもブルーカラーも関係ないのだ。

 

さらに、孫正義氏はこのスピーチの後半では、AIと向き合うことの重要さを述べている。

 

「人間が人間に感謝し、人類に貢献していくことは永遠のテーマであり、そういうことのためにAIは進化していく」

 

僕はこの言葉を聞いて、仮にこの世から「仕事」がなくなったら僕たちは何を「仕事」として食っていくのだろうと思った。

 

おそらく最後に残るのは、AIやロボットでは代替不可能な仕事。

 

つまり、人間にしかできない「クリエイティブ」な仕事だけなのではないだろうか。

 

マックジョブとクリエイティブクラス

 

 

ここでホワイトとかブルーとかメタルから1回離れて、別の括りで仕事について考える。

 

「仕事」へのアプローチ方法の1つとして、「マックジョブ」と「クリエイティブクラス」という考え方も存在する。

 

グローバル化によって、働き方は「クリエイティブクラス」と「マックジョブ」の二極化が急速に進むと言われている。

 

マックジョブの定義

  

低地位・低賃金・単調・重労働(長時間労働、過剰な疲労を伴う労働)の職種を賎しめて言う語のこと。全人口の8割がこの仕事に就いている。

 

つまり「マニュアルさえあれば誰でもできる仕事」を指しており、ブルーカラー的な仕事のことだ。

 

代表例としてファーストフードのお店のように、独創性が無く機械的な動作を繰り返すだけの職種を指す。

 

ちなみに、「マック」はハンバーガーショップマクドナルドが由来。

 

クリエイティブクラスの定義

  

知識を基盤とする経済を支える知識労働者のこと。全人口の2割程度。

 

ざっくり言うと、ホワイトカラーの仕事にあたる。

 

具体的には、科学者、エンジニア、芸術家、音楽家、経営者、専門家等の職種を指す。

 

ここで言う専門家は、弁護士・医師・会計士などのスペシャリストを指し、特殊スキルと引き換えに、高確率で高収入を誇る。

 

これらの職種は「拡張不可能な仕事」とされ、給与の上がり幅には限界がある。

 

この中でも最強なのがクリエイターと呼ばれる「拡張可能な仕事」をしている人たちだ。

 

スティーブ・ジョブズや、マーク・ザッカーバーグなど成功の確率は極めて低いが、成功を手にしたときの報酬は圧倒的に高い。

 

マックジョブの将来

 

 

クリエイティブクラスとマックジョブとの最大の違いは、「高い専門性」だ。

 

イケダハヤト氏もご自身のブログ内でこのようなことを述べている。

 

今後、企業が新入社員を育成する余裕はなくなってくるでしょう。そうなれば、新入社員は一層の「即戦力」が求められるようになります。

 

スタートアップ企業などでは新入社員に「即戦力」を求めることは当然のことになっています。こうした厳しい基準が一般的な企業にも広がっていくのが、未来の就職戦線だと僕は考えています。

 

(中略)

 

即戦力とは何かと問われれば、一つの答えは「高い専門性」でしょう。例えばウェブデザイン、例えばマーケティングなど、高い専門性があれば、年齢問わず、即戦力として活躍することができます。

 

問題は、そういった「専門性」を「マニュアルに沿うだけの単調で将来性のない仕事(「マックジョブ」)」で養えるか、ということです。 

 

 

水は楽な方に流れるのと一緒で、全くアクションを起こさずに、長い間マックジョブの職場に身を置いていると人はマックジョブデフレスパイラルから抜け出せなくなる。

 

マックジョブを通じて得られるスキルを活かして、将来クリエイティブクラスに行く気概があるのであれば話は別だが。)

 

いずれにせよ、僕たちは特定の分野で高い専門性を身につけ、クリエイティブクラスという安住の地に移住しなければ、AIとかロボットとかマクドナルドからレッドカードを貰って、一発退場という事態になってしまう。

 

 

これからを生き抜くためには?

  

ここまで約4000字も使って文章を書いてきたわけだが、労働市場について僕が好きなサッカーに例えて〆させてもらう。

 

サッカーで一流のプレーヤーになるためには、試合に出続けて、結果を残さなければならない。

 

そのためには、監督に自身の能力をアピールして起用してもらい、与えられた時間の中で結果を出し続けることで自分のポジションを確立することができるのだ。

 

欲を言えば、1つのポジションに拘るより、複数のポジションができれば監督側も使い勝手が良いのでスタメン起用される確率はぐっとあがるだろう。

 

つまり何が言いたいかというと、自分の価値を証明し続けてどんな状況でも価値を持ち続けることが必要だということだ。

 

外部環境は日々変化していくので、それに対応する柔軟性を持って、常に新しい知識や情報を仕入れて自分をさらに活かしてもらう努力が必要だと思う。

 

しかし、そんな綺麗ごとばかりではない。

 

どんな偉大な選手でも下積み時代は絶対にある。

 

香川真司中島翔哉もみんなJ2を経験しているのだ。

 

どんなに辛く、過酷な状況であっても+αの努力を積んで専門知識を学んだり、勝利のメソッドを確立する選手は必ずいる。

 

今、僕らに求められているのは、マックジョブから抜け出そうとするバイタリティであって、そういった人材を社会は求めているのかもしれない。

 

僕の友人が踏み出した一歩は、単なるフリーランスへの一歩ではない。

 

それはきっとプロの道に繋がる大きな一歩なのだ。

 

 

~約8,000名の受講生と80社以上の導入実績~
現役エンジニアのオンライン家庭教師CodeCamp

 

ちなみに、彼女が通っていたスクールはここ。

 

初回の体験レッスンが無料なので、エンジニアの雰囲気だけ味わうだけでもだいぶ見えてくるものはあると思う。

 

僕自身も来週面談予定なのだが、就職・転職のキャリア相談もできるのでおすすめだ。

 

 

デザイナー専用の転職支援サービス【ReDesigner】

 

既にデザイナー職に就いている人向けにおすすめなのはここ。

 

大学の友人がここを使って転職してだいぶ年収が上がったようだ。