しょうじきしんどい

海老で鯛を釣ろうと思う。いや、海老はもったいないからミミズでいいや。

どこかに良い人いないかな~って言うのやめない?

 

幸せになりたい女性

  

先日、急に僕の携帯に知らない女性からLINEの通知が届いた。

 

「お久しぶりです!先日連絡先交換させて頂いた○○です。私のこと覚えていますか?」

 

プロフィール画像をタップしてみると、良い感じのレストランで上品そうなドレスを着た笑顔の女性がいた。

 

ちなみに、LINEの一言の欄には「幸せになりた~い笑」だった。

 

この手のアカウントの正体はだいたい見当がつく。

 

僕は「もしかして3ヶ月前の街コンでお話させて頂いた○○さんですか?」と返信した。

 

予想は見事的中したらしく、僕が彼女を覚えていてくれたことを喜んでいるようだ。

 

しかし残念ながら僕はこの女性のことは微塵も覚えていないし、全く興味も無い。

 

そもそも3ヶ月以上も前の街コンで、今頃連絡をよこしてくるなんて一体僕は何番目の男だったのだろうかと疑問を抱いた。

 

惰性でチャットを続けていくうちに食事の誘いを受けたが、気分が乗らなかったので誘いを断った。

 

基本的に女性からの連絡は無視しないのだが、この時ばかりはプロフィールの名前も画像も全て’単なる電子データ’に見えてしまって、気分が高揚する感覚が全く無かったのだ。

 

しかし、LINEでの連絡は続けてみることにした。

 

別に冷やかしというわけではないのだが、街コンに行く女性は一体どんな女性なのかと興味があったからだ。

 

理想の女性像

 

 

僕「休日はなにをしているんですか?」

 

彼女「料理することが多いです!最近料理教室も通い始めました(絵文字)」

 

僕「好きな男性のタイプは?」

 

彼女「ちゃんと働いていて優しい人です!」

 

僕「好きな映画は?」

 

彼女「恋愛系の映画ならなんでも好きです!」

 

という感じで、まるで一問一答形式の面接のような展開だ。

 

従来であれば、僕が彼女の質問に対してツッコミを入れたり、もっと掘り下げたりするのだが、本心は興味が無いので彼女の表面的な情報の収集に徹していた。

 

実際にやり取りを続けていくうちに相手のことがわかってきたのだが、結果的にはどちらも望んでいない会話のキャッチボールだった。

 

一応、男性である僕が様々な話題や質問を振って、彼女に発言の機会を与えているのだが、答えがどれも心に響かなかったし、興味をそそられなかった。

 

理由は、どれもこれも街コン仕様のプロフィール、街コン仕様の質問内容、街コン仕様の趣味、街コン仕様の好きな食べ物のように見えてしまったからだ。

 

僕自身の内側で多少の認知バイアスがかかっているのは十分差し引いても、どこかに見栄とか虚勢を張っている回答にしか受け取ることができなかった。

 

そこで僕は別の質問をした。

 

僕「実際街コンで出会った人と結婚できますか?」

 

話してみると、どうやら彼女もそれがわからなくなってきているらしく、今は友人と惰性で参加しているそうだ。

 

そこからはつっかえていたものがスポっと取れたように、ぶっちゃけトークが始まり、お互いに腹を割って、恋愛について語るようになった。

 

「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」

 

 

その中で気になったのが、「どこかにいい人いないかなー」という彼女の口ぐせであった。

 

残念ながら、この発言をしている時点で彼女は当分幸せになることはできないと思った。

 

僕が過去に読んだ岸見一郎著「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」ではこんなことが書いてある。

 

この本はアドラー心理学をわかりやすく読み解き、「すべての悩みは対人関係の悩みである」とし、人間関係も人生もシンプルに考え、悩みを消し去るためのヒントを与えてくれる書籍だ。

 

内容はざっくりこのような内容だ。

 

嫌われる勇気を持つことこそが、幸せな人生に繋がる

 

 

周囲の人たちから嫌われないようにするには、常に周りの人の顔色をうかがう必要がある。

 

しかし、それではありのままの自分として生きることは難しくなる上に、責任を人のせいにしてしまいかねない。

 

好かれようと思うと、他人の期待に応えようと振る舞ってしまう。

 

結果、本来の自分を出せなかったり、我慢ばかりが続いたりして、ストレスをためてしまいがちだ。

 

そこで必要になるのが、「嫌われる勇気」である。

 

人の期待に応えるのをやめ、自分が「人としてこうありたい」と思える行動を取るよう心がけるだけで、自由を実感できる生き方ができる。

 

自分の素直な気持ちや意志を貫く勇気。言い換えれば、それは「幸せになる勇気」でもある。

 

自分にとって譲れないポイントをはっきりさせること

 

 

嫌われる勇気を持つ上で注意しなくてはいけないこともある。

 

それは「自分の意志をきちんと伝えること」と、「自分の価値観を周囲の人たちに押しつけて、他人を変えようとすること」とは違うと理解しておくことだ。

 

人間は基本的に、他人を変えることはできない。

 

周囲の人たちに自分の価値観を無理強いしたりすることは、人間関係のトラブルの元で、変えられるのは自分だけだ。

 

とは言ったものの、人間関係は相手があって初めて成り立つものだ。

 

自分のものの見方や捉え方を変えることが、日々の言動を変えることに繋がる。

 

そして、多くの場合、自分が変わると周囲の人も変わらざるを得なくなる。

 

自分が変わる勇気を持つこと。これだけで、人間関係の悩みは薄らいでいく。

 

まとめ

 

 

つまり、彼女は典型的な「嫌われる勇気を持っていない」人だったのだ。

 

いるかどうかもわからない理想の男性を追い求めて、街コン仕様の自分を作り上げたものの、やはり理想の男性にはめぐり合えない。

 

原因は外部環境にあるのではなく、自身の内側にあったのだと

 

理想に近い男性がいたとしても、別の人に取られてしまうのも納得がいく。

 

僕はなんだか悲しくなってきて、興味本位で彼女と連絡を取っていたことを詫びた。

 

そして、お節介だと重々承知しているが、上記の書籍を紹介してから連絡するのをやめた。

 

別に嫌われてもいいと思った。

 

今頃、彼女はこの本を読んでいるのかどうかはわからない。

 

でも、街コンでも合コンでもありのままの自分を出して、理想な男性に巡り合うことができれば幸いだと思う。

 

最後に僕はそっと彼女の連絡先を削除した。