しょうじきしんどい

海老で鯛を釣ろうと思う。いや、海老はもったいないからミミズでいいや。

受刑者アイドルで元気だせよ

 

 

 

東京拘置所矯正展を知ってるか?

 

 

「矯正展」は全国各地の刑事施設で、受刑者の社会復帰への理解を得るために行われている。

 

東京拘置所において、矯正展は2012年9月に初めて開催された。

 

目的は、東京拘置所の施設運営と矯正行政に対する近隣住民への理解と、刑務作業の現状と重要性を学ぶこととしている。

 

おそらく来場者の多くの目的は、「ムショ飯」と「テープカット」のゲストであろう。

 

「ムショ飯」で特に人気なのは、東京拘置所内の食事を再現した「プリズン弁当」。

 

他にも「プリズンコッペ」、「拘置所飯プリズンカレー」、「網走監獄和牛コロッケ」も好評で、毎年長蛇の行列ができるほど好評だ。

 

味はいたって普通らしいが、圧倒的ネーミングセンスを感じる。

 

ちなみに、メシは臭くないから安心してほしい。

 

一般的に、刑務所での食事が「クサイ飯」と言われる理由は、拘置所の構造上、部屋の中に便所があるからクサイらしく、粗悪な物を食べさせられているわけではない。

 

他にも性格検査体験コーナーや、ちびっ子用の刑務官制服着用など、塀の中の世界を感じることができる斬新なイベントだ。

 

是非とも足を運んで欲しい。僕も行く予定だ。

 

これまでのゲスト一覧

全国矯正展テープカット 歴代担当者(第47回以降)

2005 47 藤原紀香

2006 48 郷ひろみ

2007 49 仲間由紀恵

2008 50 氷川きよし

2009 51 観月ありさ

2010 52 長谷川京子

2011 53 川中美幸

2012 54 Paix2

2013 55 香西かおり

2014 56 篠田麻里子

2015 57 高橋みなみ

2016 58 MAX

2017 59 w-inds.

近年はアイドル中心だが、ちょっと前までは大物女優や演歌歌手が名を連ねていたようだ。

 

(w-inds.とか知ってる人がいるのか疑問だが。)

 

今年のゲスト

 

なんと今年のゲストには「DA PUMP」と「NGT48」の中井りかが来るらしい。

 

異色系バーニングスーパータレントの夢のコラボレーションである。

 

DA PUMPのISSAの過去の恋愛遍歴は、柴崎コウ宮沢りえなど、矯正展のゲストに負けず劣らず豪華である。

 

今年は、最新曲の「U.S.A」が大ヒットし、メディアに引っ張りだこになっている売れっ子歌手だ。

 

また、NGT48の中井りかもなかなかの炎上っぷりを見せている。

 

AKB世界選抜総選挙で37位と大健闘したが、なんと週刊文春にファンと半同棲している事をすっぱ抜かれてしまう文集砲を食らってしまった。

 

バラエティ番組では、炎上系アイドルとして徐々に露出も増えている逸材だ。

 

不謹慎ではあるが、当日のイベントで何かしらのトラブルが起きることを期待せざるを得ない。

 

受刑者に愛される真のアイドル

現在は、AKBグループや坂道アイドルが音楽業界をリードしている中、塀の中でひそかに活動を続けているアイドルを知っているだろうか。

 

それは、北尾真奈美さんと井勝めぐみさんの女性二人から成るユニット「Paix2(ぺぺ)」である。

 

  

彼女たちの主な活動拠点は塀の中、つまり刑務所や少年院などの更生施設だ。

 

元々は鳥取県ローカルアイドルで、看護師と技術補佐員という普通の社会人であった。

 

2人は、現在彼女たちが所属する事務所主催の歌謡大会で出会い、紆余曲折しながらなんとかデビュー。

 

慰問活動である「Prisonコンサート」のコンセプトは「歌を通して受刑者と会話する活動」であり、彼女達はそれを10年以上続けていて、ライブ数はついに400回を超えた。

 

彼女たちは歌を通して受刑者にメッセージを送り、やがて彼女たちは「受刑者のアイドル」と呼ばれるようになった。

 

刑務所で過ごす受刑者で彼女たちの存在を知らない者はいないらしい。

 

定番曲は、「元気だせよ」という曲だ。

 

 

ちなみに、ライブ中は基本的に手拍子しか許されていないが、「元気だせよ」の曲中では特例で拳を突き上げる行為が許されるらしい。

 

MCでは、願箋(※)、報奨金でCDを買ってほしいとか、専門用語を連発し、受刑者イジリも慣れたもの。

 

※願箋(がんせん)=受刑者が所内や差入屋で販売している物品を購入する際に記載する用紙。

 

また、彼女たちの活動は歌だけでない。

 

受刑者の家族の手記を朗読を通じて、受刑者自身が自身の心と対話することのきっかけづくりにもなっている。

 

 塀の中の高齢化

犯罪白書』(平成28年版)によれば、65歳以上の高齢者の検挙人数は4万7632人。20年前に比べて約3.8倍になった。

 

それに伴い、刑務所内の高齢化も急速に進んでいる。

 

受刑者全体の数は、10年前に比べて約3割減っている。

 

これは雇用環境の改善が主な理由だと考えられていて、働ける世代の犯罪は、仕事があれば減っていく傾向がある。

 

変わらずに残るのは高齢受刑者で、彼らはいつまで経っても塀の中にいる。

 

仮に出所したとしても、行くあてもなく、働く場所もない高齢者は再び罪を犯し、刑務所に戻ってきてしまうらしい。

 

なぜなら、刑期を終え、「自由」を手に入れたと思っても、高齢者なので身体が弱っていて、働き口がない。

 

さらに、長い刑務所生活で社会性が失われているので、人の気持ちが理解できず、福祉サービスを勧めたとしても断ってしまい、再犯を犯し、戻ってきてしまうのだ。

 

僕はここに、刑務所内の教育制度の低さや、社会の受皿の小ささを感じる。

 

もちろん彼らの心が弱くなってしまっていることもあるが、元受刑者だからといって彼らを差別していることも事実だ。

 

彼らが直面し挫折をした「塀の外にあったもう1枚の塀」を作っているのは、彼らの心の問題だけでなく、社会側にも責任の一端はあるということを忘れてはいけない。

 

もしかしたら、Paix2(ペペ)が歌を通じてメッセージを送っている先には、受刑者だけではなくて僕らも含まれているのかもしれない。